ここじゃなくてもいいんだけどね

私が自分で思うことには自分にはあんまり居場所が無いなあということで結構小さい頃からの妄想なので彼に言ってみた所、じゃぁ何処にも帰んな、とまた彼らしい非常にクールで非情なビューティーな声で言った。ああもうそれもそうかも、と言うとだろ、と彼は余り自分の言ったことに関して特に関心もないようだった。

私の中の彼はじつは結構大半数を占めていると見せ掛けてじつはそうでもない。寧ろ別腹というか。普段の脳みその使っている部分の脇の方に置いてあるというか。

どちらかと言えばまあもちろん嫌いではない方ではあるのだけれそれにかんしてのいみもとくになくわたしのなかでのかれはまあそんなもんだった。だからかれにはわたしがりかいできないというかまあにんげんなんでもりかいなんぞできませんがまあとにかくそれをとりあえずじょがいしてかれはわたしをりかいできなくてまたそれも然りだ。

何処にも帰るなとは確かに旨く言ったものだ。私が空腹だったならば私はそれを食べてしまったかもしれない、彼は別腹だ。彼はまあ目元が涼しいというよりは卑しい。眉目秀麗というよりは眉目猥褻。あと実際満身創痍っぽいけどただたんなる空腹中枢の麻痺でもなんでもなく酷い偏食癖が昔あっただけだ。誤摩化しきったような味。生きてるの楽しい?って、別に嘘です、生きる事自体は本当はたのしんでいるのだからまだ私あたりは生存しているんです、まあねえこんな生き物でも。

卑猥。猥褻。陳列罪。みに覚えの無い罪状を叩き付けられたので彼の髪の毛を引っ張って馬鹿みたいに古くて馬鹿みたいに軋むスプリングベッドの上に放り投げると彼は寝転んだままげらげらと笑い転げた。

図星かよ、と彼が言うがいや確認してもらおうと思ってと言いながら腕を掴んで舐め上げると彼は笑みを止めてため息をついた。彼の幸せはこうしてつねにこの私が逃がしてしまう。逃げた所で言い場所は無いよ。朝焼けのせいできっと明日も天気が悪いんだ。二人でいるときにあの言葉が聞けないのは嬉しいのか空しいのか考えつつとりあえず彼の足の内側に噛み付くとぎゃーと彼はやる気の無い悲鳴を上げた。彼の悲鳴は何時だってやる気が無い。先ほどからちかちかする彼の新しい携帯電話が気になって仕方ない。かといって彼が私に携帯電話の中身をみせないことが今まで無かった。それもまた逆も然りというやつなんだけれど。これも大概だ。

というかいまこのこれですが。口に指を突っ込んで混ぜてから穴の方に突っ込まれた。口も穴ですが鼻も穴でして耳も穴なんですが下半身の方に大事なボラギノールとか使うあれですよ。まあ、お察し?死んで欲しいとはたまに自分で思う。