泣けというのか

人々の倒れきった身体を見ていると、少し頭が痛くなった。

煙草を吸うと安心した。咽喉を焼き、要らない嗚咽は流すことも無い。

泣きてえなァ、と誰にとも宛てず口に出した。身も回りの馬鹿どもは常に泣けと背中で語る。

 

残念だが、そんな暇は無い。殴り倒さなくてはならない。蹴り飛ばし踏み潰し、潰して折って砕いて厭きるまで憎憎しき身肉を殴り倒し、殴り、殴らなければならない。

暗転したい。わたしが嫌いだ。泣けといわれても、そんな暇は無い。

すべてをわかっていて言っているのか、それともあちらの世界が懐かしいのか。

どちらなのかわからないが、君の考えるわたしは全て間違っているのだと思う。