大事なものは骨と其れ以外だ
生きて行く上で大事なのは身体がギシギシなることで、だからからだがぎしぎしなる私はちょうどいいのだと思っている。肋を触ってみると、皮膚から少し浮いているだけだ。
奥の扉はいつもしまっている。なんかたまに内臓の位置変わってるんだよ、と彼はその向こうを指差して言った。私の首は骨が浮いている。大事なものは、これと其れ以外。
大事なものは骨と其れ以外だ。
自分の手のひらをみる。皮膚が無い。中で少し赤味ある肉がうごめく。
殻に触らなければいけないから私たちはよく自分の殻の中に埋まる。どう頑張っても自分は自分にしか働かない脳みそを持っている。欲情とまでは行かないけれど、他の人たちよりも詳しい部分が少しでもあるのかもしれない。