愚かだからさ

歪んだ視界の中で涙は一貫性のない暴力的行為。

我侭な生き物の首を跳ねていく皇女様が一番の我侭だったので首を跳ねられてしまいました。

バウンドする首。その顔は笑っている。何時でも彼女の至福の笑顔。どうせアタシには勝てないのよ、などと彼女は言ったがすぐに、生憎アタシは毒されちゃったみたいだけど。彼女は皮肉をまじえても笑っていた。

皇女様が全部悪いんだ、などと納得する。わたしは目を開けたまま見定めるように彼女を見ているけれども、彼女はきっとその顔をゆがめることはない。そうそしてニッコリ笑うこともない。いつも何かを楽しんでいるような顔で。

違ってたら如何なのかしらネ。

わたしたちに語る権利はない。口に出せばあら奇遇ねアタシもそう思うの、と彼女は言う。わたしは泣いているけれど彼女は泣いていない。

 

皇女様の首は笑っていました。跳ねたせいで、豚のように鼻が曲がっても。